Lot 428

平山 郁夫 (1930-2009, 

Japan

)

王家の谷 ルクソール・エジプト

JPY 700,000 - 1,200,000

HKD 50,000 - 86,000

USD 6,500 - 11,000

Sold JPY 862,500

技法

水彩、紙

サイン

右下に落款、印

額装

サイズ

32.3×54.0 cm

制作年

1976

鑑定書

共シール 東京美術倶楽部鑑定証書付

解説文

1930年広島県生まれ。東京美術学校日本画科卒業。2005年まで東京芸術大学長をつとめる。1998年、文化勲章を受章。日本画壇の最高峰に位置する画家。戦中の被爆体験により、シルクロードをはじめ仏教伝来を終生のテーマとし、極寒のヒマラヤ山脈や灼熱のタクラマカン砂漠に至るまでの幅広い場所を取材するなど、実体験を作風に昇華させている。また、ユネスコ親善大使や世界遺産担当特別顧問など慈善活動にも積極的に参加した。2009年12月2日永眠(満79歳)。

解説文

平山郁夫は1930年広島県に生まれ、戦後を代表する日本画の巨匠として日本国内ではなくアジアにも名望を集めた。1959年の第44回再興院展出品作「仏教伝来」以来、「出山」・「天山南路」などの仏教を主題とした作品を多数発表し、釈迦涅槃の姿を描いた「入涅槃幻想」は日本美術院賞・大観賞を受賞するに至った。1989年~1995年と2001年~2005年には東京藝術大学学長を務め、1998年に文化勲章を受章した。ほかに、日本人初のユネスコ親善大使を務め、文化財赤十字活動を提唱する文化財保護活動に専念した。平山は15歳の時に広島で被爆体験をした。地獄絵図さながらの光景を目にし、心の深い傷を負う。また、原爆後遺症を患い、一時は死を覚悟し、また画業への自信も失いかけていた。しかしここで平山にとっての一大転機が訪れる。シルクロードを旅する求法の唐僧玄奘三蔵に出会い、「仏教伝来」を描いたのである。こうして宗教的な世界に足を踏み入れた平山は、自身の救済に至った。1966年から平山はオリエント遺跡調査団に参加し、中央アジアを旅行し、仏教伝来の源流を訪ね、幻想のシルクロード旅を遂に夢を叶えた。それ以後、平山はシルクロードにさらに情熱を傾け、荒れ果てた砂漠や遺跡に人間の痕跡を探し求め、文明民族、宗教文化が交差する歴史ある交易路の宏壮な風景とそこに生きる人々を描き続けた。仏教は平山の芸術の重要な題材になり、「仏教伝来」をはじめ、「玄奘三蔵への道」「アレクサンダーの道」シリーズなど、シルクロードと関わりの深い作品を数多く残している。平山の作品は、積み重ねられた文明や歴史を味わわせ、深い仏教思想や命の大切さを気付かせる。鑑賞する者は作品を通して、世界平和を祈る尊い精神を共感し、感動を覚えるのである。1976年に描かれたこの作品には、水彩で砂漠と山の合間に隠れるようにして墓が描かれている。今でも謎を多く含んだ世界に名高い王家の谷の姿が見事に表現されている。橙・黄などの暖色を使用し、繊細かつ大胆な筆遣いがされている。また、水彩を使用することで建物の立体感を表現し、主題を強調することに成功している。平山の水彩画の作品を見ると技術力の高さが窺える。エジプトと言えば古代高度な文明を発達した国。その中でもルクソールは最も有名なファラオ・ツタンカーメンの墓が発掘された場所として知られている。この作品には、遺跡文明の風景を描き、神秘感が息づく広大な大地の眺めを描かれている。残された墳墓や遺跡から読み取れる古代エジプト人の豊かな死生観、歴代王の栄光等、大いなる歴史の物語を感じさせる本作品は平山にしか描けない作品である。


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