鮮やかな色と金属の質感がぶつかり合い、大きなエネルギーを生み出し、そして拡大していく。しばらく見つめると、画面がうごめいているような、不思議な有機性がある。独学で彫金技術を習得した池内は、その技術と表現の可能性をミクストメディア作品へ拡げていった。色が示す民族性と日本独自の彫金技術の融合からは、作家の日本人としてのアイデンティティが窺える。海外でも高く評価される一因である。1984年福岡生まれ。2003年に彫金作品制作を開始したのち、2015年に平面作品制作を開始する。作品は2022年より、購入後も価値が上がり続ける厳選された作品をキュレーションし展示することをコンセプトに掲げた435GALLERYで取り扱われており、確固たる影響力を持つ現代アート作家のひとりであることを裏付けている。止まることない勢いで躍進し続ける池内。“金属”と“色”の生み出す力強い世界観が十分に表現された作品である。