江上は日本、中国、ヨーロッパを中心に活躍し、個展で展示された作品は完売を続けている。2020年には「フォーブスが選ぶ世界を変える30人」に選出されるなど話題の若手作家である。1994年、千葉県に生まれた江上越はドイツのHFG、北京の中央美術学院に留学する。彼女は自身が持つ海外での豊かな体験を元に、コミュニケーションから誤聴、誤視、誤解などのズレ・誤認識を発見し、録音、映像、絵画などの多元化の媒体を通してユニークな作品を創作している。本作はシンプルな構図で描かれているが、マチエールと色彩のグラデーションを効果的に用いて複雑な層を作りだしている。層が隣接し重なり合う事で姿を形成し、シンプルながら深みのある色彩美を生み出している。