HIGHLIGHT

ラファル・オルビンスキーは、画家、イラストレーター、デザイナーとして、 “ポエティック・シュルレアリスム”という独自の表現方法で絵画やイラストなどを制作している、アメリカを拠点に活躍するアーティストである。オルビンスキーの作品はシュルレアリスムの要素と古典、現代アートの要素が融合しており、科学的現実の風景を描くのではなく、心の内部を描いている。かつてのダリやマグリットと同様、オルビンスキーの作品には詩的でユーモアな響きがあり、想像力が永遠に再現し続ける魔法の世界であることを示している。本作『OK MR.PRESIDENT』も作家の詩的なユーモアに溢れた作品である。この作品は老朽化した高塔を描いており、1人の味わい深い人物が塔の中に身を置いている。人物は白旗を支え持ち、旗は渦上に伸び続けて塔の外壁をなしている。旗は旗でありながら壁でもある。人物は大統領であろうか、作品に込められたメッセージやメタファーを解読する面白さがある作品である。2002年から2010年にかけて、ニューヨークで開催されたアースデー・セレブレーションのハイライトとなるイベントでは、オルビンスキーの絵画が、キース・へリング、ロイ・リキテンスタイン、ロバート・ラウシェンバーグ、アンディ・ウォーホルらの作品と共に紹介されている。オルビンスキーの作品は、MoMA（ニューヨーク近代美術館）、スミソニアン協会、大阪文化館・天保山（旧サントリーミュージアム天保山）など、アメリカやヨーロッパ各国の美術館に収蔵されている。