アルベール・ダムーズは、彫刻家で陶磁器装飾家であったピエール・アドルフ・ダムーズの息子としてパリに生まれた。セーヴル窯で陶芸家として名を成し、一流の陶芸家として作品はオルセー美術館他に収蔵されている。
芸術に対する探究心は尽きることなく、50歳の時にガラスを用いた技法の研究を始めた。高度な技術が必要とされるパート・ド・ヴェール技法を用いて、卓越した作品の制作に成功した数少ない作家である。
本作品は貝のフォルムの器に海の世界をイメージし、ゆらめく海藻と白い泡の中に黙想する女性を象徴主義的に表現した、ダムーズらしいと言える優品である。パート・ド・ヴェール特有の、優しく洗練された色彩と質感が、幻想的な世界観を作り出す。